月1日は「釜蓋朔日(かまぶたのついたち)」と呼ばれ、地獄の釜の蓋が開く日とされています。
地獄とは、いわゆる「あの世」。その蓋を開けるのは閻魔大王だと言われています。
お盆には、ご先祖様があの世から帰ってきます。けれど、あの世からの道のりは遠く、8月1日に出発しなければお盆に間に合わないのだそうです。待ちかねたご先祖様たちは、この日に釜の蓋から飛び出してくる――そんな言い伝えが残っています。
那須地方では、釜の蓋が開いたことを喜び、ご先祖様を迎える準備のひとつとして「たんさんまんじゅう」を作る風習があります。笹の葉にのせてお供えし、自分たちも一緒にいただくことで、ご先祖様とのつながりを感じます。
今年も施設では、各ユニットごとにまんじゅう作りを行いました。
まるめた生地を厨房でふかしていただき、出来たてをおやつにいただきます。ふかふかで湯気の立つまんじゅうをほおばると、やさしい甘さが口いっぱいに広がり、思わず笑顔に。
昔からの風習を、みんなで体験し、味わいながらご先祖様を思うひとときとなりました。